お野菜の魅力をコンパクトかつ楽しく解説する「ゆるっとお野菜大図鑑」。
記念すべき第1回は赤くて丸くてみんなの人気者、トマトさんです!
トマトって見た目がかわいいよね~!
むすめちゃんのほうがかわいいよ~✨
トマトの特徴
基本情報
トマトは赤くて丸い形が特徴のお野菜で旬の時期は夏です。
ナス科に属しており果実を食べます。
人気度
タキイ種苗さんが実施された2022年の「子どもが好きな野菜ランキング」では3位にランクイン!
その一方で、「子どもが嫌いな野菜ランキング」でも9位に入っていました。
見た目の可愛さや甘い品種の登場で大人気ですが、なかにはゼリー状の部分のぐちょぐちょした食感が苦手という子どももいるようです。
ゼリー状の部分に最もうまみ成分が多く含まれているんですけどね~。
トマトの品種
トマトには色や大きさ、食感、甘み・酸味のバランスなどが異なる多様な品種が存在します。
ここでは大玉・中玉・ミニトマトの大きさごとに代表的な品種をご紹介します。
大玉トマト
重さでいうと概ね200g以上のもの、大きさでいうと直径8cm前後のものが多いです。
みんなが想像するトマトの代名詞。日本で最も食べられている品種です。
果実の先が尖っているのが特徴で、ほのかな酸味と甘みがあります。
「王様トマト」と呼ばれ、肉質がしっかりしているので輸送性に優れています。
中玉トマト(ミディトマト)
重さ・大きさともに大玉トマトとミニトマトの中間サイズの品種です。
水やりを極力控えることで甘みと酸味が濃縮するように栽培されています。
実を付けやすいので家庭菜園でも人気です。中玉の中では大きめのサイズです。
カゴメのオリジナル品種で、卵型のかわいい形と豊富なリコピンが特徴です。
ミニトマト
重さでいうと15~30g程度のもの、大きさでいうと直径3cmくらいまでのものが多いです。
細長い卵型で、中のゼリーが少なく歯ごたえがあります。酸味はそこまでありません。
イタリア生まれのトマトで、濃厚な赤色の見た目と糖度10前後の甘味が特徴です。
果実の大きさが1円玉くらいの超小粒品種です。料理の飾りつけにも使われます。
そのほかにも、一般には流通せずジュースやソース用に使用される加工用トマトもあります。
トマトは加工品の多い野菜だよね~
トマトの歴史
うまれたところ
南米のペルーやボリビアなどにまたがるアンデス高地が原産地とされています。
野生のトマトは何種類かありますが、どれも今のトマトよりも小さく皮が固いのが特徴です。
世界への広がり
トマトはインカ帝国で栽培されていたようで、16世紀に征服したスペイン人が自国に持ち帰って欧州に広がりました。
ただし、当時は有毒な植物だと勘違いされ、食用に栽培されたのは18世紀になってからでした。
日本での広がり
日本にも17世紀中ごろに持ち込まれましたが、当初はやはり食用ではなく観賞用でした。
結局、食用として栽培されたのは明治時代になってから、生で食べるようになったのは戦後になってからでした。
意外と食の歴史は浅いのね~
トマトの育て方
露地栽培の場合、4~5月頃に苗を植え付けて初夏から9月にかけて収穫できます。
では、家庭菜園でトマトを栽培する場合のポイントを見ていきましょう♪
①大きな品種ほど栽培が難しくなります。初心者の方にはミニトマトがおススメ!
②生育初期に肥料が多いとつるぼけ※になりやすいです。元肥は控えめで追肥で補うように!
③過湿が原因で実が割れることがあります。高畝・マルチ・敷きワラなどの対策を!
④2m以上に育つので支柱を立てます。中玉やミニトマトの場合、2本仕立てで収量倍増を目指しましょう!
⑤基本的にわき芽は全てかき取ります。病気感染のリスクがあるのでハサミではなく手で行いましょう!
⑥大玉トマトの場合、1房に付く実は4~5個になるよう摘果しましょう!(中玉・ミニは基本不要です)
⑦コンパニオンプランツ※として、バジル・ニラ・マリーゴールドなどがおススメ!
※つるぼけ:葉や茎ばかりがどんどん成長して肝心の実がつかない状態のこと
※コンパニオンプランツ:一緒に植えると良い影響を与える植物のこと
トマトの栄養
「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるように、昔からトマトは栄養価の高いお野菜だと認識されていたようです。
では、トマトに豊富に含まれている栄養素について見ていきましょう♪
リコピン
リコピンはトマトの赤色成分でカロテノイドの一種です。
高い抗酸化作用があるので美容に良いとされ、免疫力アップや発がんの抑制も期待できます。
また、油で調理することで栄養の吸収率がアップする点も特徴です。
ビタミンC
ビタミンCは風邪やストレスに対する抵抗力を高めてくれます。
大きめのトマト1個(約250g)で1日に必要なビタミンCの約1/3が摂れると言われています。
リコピンとは逆に熱に弱いため、ビタミンCを摂りたい場合は生で食べましょう!
トマトのレシピ
トマトを使ったオススメのレシピをご紹介します!
料理名をクリックすると、クラシルさんのレシピ動画をご覧いただけます。
生食
焼く
煮る
揚げる
トマトの豆知識
トマトに関するちょっとした豆知識をご紹介!ぜひ家族や友人に話してみましょう♪
トマトなのに毒リンゴ?
トマトが欧州に持ち込まれた当時、「毒リンゴ」と呼ばれて200年ものあいだ食用には用いられませんでした。
当時の貴族はスズと鉛の合金で作られた食器を使っており、トマトの酸によって溶け出した鉛が原因で中毒になることがあったそうです。
上記の理由が解明された後も、トマトがベラドンナという有毒植物に似ているとの理由でなかなか食用として広まりませんでした。
実以外は食べられるの?
トマトを自分で育てていると、「トマトの葉や茎って食べれないのかなぁ?」という疑問が湧いてきます。
しかし、実はトマトの葉や茎、そして花には「トマチン」という毒があるのです!
トマチンはジャガイモのソラニンに似た構造をしており、もともと害虫を寄り付かせないためのトマトの防衛能力だそうです。
ちなみに普段の食事での摂取量では全然命にかかわるものではないのですが、あまり食べないほうが良さそうです…
最後までご覧いただきありがとうございました!