お野菜の魅力をコンパクトかつ楽しく解説する「ゆるっとお野菜大図鑑」。
第2回は艶やかな紫色と流線型のボディがどこか上品な、ナスさんです!
ナスってなんか気品があるよね~!
むすめちゃんのほうが気品があるよ~✨
ナスの特徴
基本情報
ナスは野菜には珍しい紫色の見た目と淡白な味わいが特徴のお野菜で、旬の時期は夏です。
名前のとおりナス科に属しており若い果実を食べます。
人気度
タキイ種苗さんが実施された2022年の「子どもが好きな野菜ランキング」ではトップ10圏外…。
その一方で、「子どもが嫌いな野菜ランキング」では9位に入っていました。
ちなみに「大人が好きな野菜ランキング」でも9位に入っています。
ナスは和食や煮物で特に重宝されるので、大人になるとその良さがわかるということでしょうか?
ナスの品種
ナスには色や形、向いている料理などが異なる多様な品種が存在します。
ここではいくつか代表的な品種をご紹介します。
よく見かけるメジャー品種
全国的に流通している定番品種で、どんな料理にも合います。「中長ナス」に分類されます。
京野菜のひとつで京料理には欠かせません。ずっしりしていて「丸ナス」に分類されます。
名前のとおり水分が豊富で漬け物に向いています。「卵型ナス」に分類されます。
西日本や東北でよく食べられ、長いものだと40cmを超えるものも!「長ナス」に分類されます。
ちょっと珍しい変わり種品種
アメリカの品種を改良したので漬け物には向きません。読み方は「べいなす」です。
イタリアのナスで、紫と白の美しいストライプがシマウマの模様のようです。
紫の色素ナスニンを持たず、葉緑素の色で緑色になります。田楽がおススメ!
こちらも紫の色素ナスニンを持っていません。加熱するととろけます。
白なすがトロトロで美味しかったよ~
ナスの歴史
うまれたところ
インド東部が原産地とされています。
インドでは紀元前から野菜として栽培されていたようで、古い歴史があります。
世界への広がり
主に2つのルートで世界に広がりました。
ひとつは当時のペルシャ(現在のイラン)を経て地中海沿岸に広まった西側ルート、もうひとつは東南アジアや中国に広まった東側ルートです。
ヨーロッパでも13~15世紀頃に栽培されましたが、当時は食べるよりも花を観賞することが目的でした。
日本での広がり
日本では奈良時代までに栽培が始まったようです。
奈良時代の「正倉院文書」や平安時代の「延喜式(えんぎしき)」などにナスに関する記述が登場します。
ナスの育て方
生まれがインドということもあり、暑さに強く家庭菜園初心者でも作りやすい野菜です。
露地栽培の場合、5月頃に植付けを行い、初夏から遅くて10月頃まで収穫できます。
では、家庭菜園でナスを栽培する場合のポイントを見ていきましょう♪
①日射量や日照時間が収量に影響します。日当たりの良い場所で育てましょう!
②暑さには強いですが寒さに弱いです。定植は晩霜の危険がなくなった5月上中旬頃に!
③主枝と2本の側枝の3本仕立てにします。一番花のすぐ下の側枝とその下の勢いの良い側枝を選びましょう!
④「ナスは水で育つ」といいます。梅雨明けの高温・乾燥対策として敷きワラや畝間潅水をしましょう!
⑤花や葉で樹勢を判断できます。短花柱花※や垂れ下がった葉は栄養不足のサインで追肥が必要です!
⑥真夏になると暑さと乾燥で品質が低下します。更新剪定※をして秋ナスを収穫しましょう!
⑦収穫が遅れると味が落ちます。1~3番果や多く着果した時は若どりするくらいの気持ちで!
※短花柱花:雌しべが雄しべよりも短くなってうまく受粉できなくなった状態のこと(ナスの花は、通常なら雄しべよりも雌しべが長く、雄しべから出る花粉が効率よく雌しべに付くようになっています。)
※更新剪定:枝を切り戻して新しい枝を出させること
ナスは初めてでもたくさん収穫できたよ~
ナスの栄養
「ナスにはほとんど栄養がない」と言われることもありますが、決してそんなことはありません!
では、ナスに豊富に含まれている栄養素について見ていきましょう♪
ナスニン
ナスは皮の紫色の要因となるアントシアニン色素で、ポリフェノールの一種です。
高い抗酸化作用があるので美容に良いとされ、免疫力アップや発がんの抑制も期待できます。
また、眼精疲労にも効果があると言われているので、ナスは皮ごと食べましょう!
カリウム
カリウムは、人間の体に必要な「必須ミネラル」の1つです。
塩分の排出を促して血圧の上昇を抑えるので、血圧が高めの方におススメです。
また、足のむくみを解消する効果も期待できます。
水にさらしすぎると栄養が逃げちゃうよ~
ナスのレシピ
ナスを使ったオススメのレシピをご紹介します!
料理名をクリックすると、クラシルさんのレシピ動画をご覧いただけます。
サラダ・漬け物
焼く
煮る
揚げる
ナスの豆知識
ナスに関するちょっとした豆知識をご紹介!ぜひ家族や友人に話してみましょう♪
将軍様も大好物?
縁起の良い初夢として「一富士・二鷹・三茄子」という言葉があります。
この由来には諸説あるのですが、江戸時代の初代将軍徳川家康の大好物がナスだったという説があります。
ちなみに当時の関東ではナスは高級品で、促成栽培で初夏に出荷されるナスには初鰹並みの高値が付いたそうです。
お野菜なのに卵?
ナスは英語で「eggplant」というのをご存じですか?
「えっ!なんで卵なの?」と思われる方が多いと思います。
その答えはこれです!
実はナスは世界中で多種多様な品種があり、アメリカで栽培されているナスは白くて丸くてまさに卵そのもの!
先入観は捨てた方が良さそうです…
最後までご覧いただきありがとうございました!